小ネタ部屋

日記でしていた小ネタを発掘

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小ネタ 彩雲国でコミケネタ
H18年5月30日

…ふと。コミケ会場に絳攸が出かけたら、というパラレルがあったら面白いかと。
迷ってなんかいません、という顔で、そこらの人に付いて行ったら、
絶対合わないジャンルのとこに来て、パニックして怒って。
最後は楸瑛に回収される、と。
迷わなくても、コミケに行っただけでも、色々不満を口にしてそうだけど。

<閑話休題>突発三人組


「余は、コミケというものに行ってみたいのだが」
「コミケですか?主上には向いていないと思われますが」
「楸瑛は行ったことがあるのか?」
「つきあいで(何の?)一通りは」
「やめとけ。おまえなんか、迷子になってつぶされて終わりだ。だいたい、あんなものを許可しておくのはおかしい!」
「……その口調だと、絳攸も行ったことがあるのだな?ずるいぞ、二人とも!よし、決めたぞ。次の『夏コミ』なるものに、三人で行くのだ!」
「俺は行かん!」
「夏……ですか。匂いますよ?」
「な、何がだ?」
「それはもう、汗とか汗とか汗とか」
「……」
「それでも、行かれますか?」
「き、決めたのだ。行く。どうしても手に入れたいものがあるのだ!」
「…わかりました。手配はしましょう。後悔されても知りませんよ?」
「……」


ちょっと思いついたので書いてみた。
実際に行ったことがないので噂でしか知らないが。
ついでに、劉輝が行くのは何日目か予想がつかないのもあるけど。
楸瑛、便利でいいな(苦笑)



上で、自分で書いた文に触発されて、もう一本。
危険なおつかい:戸部編。


「…あと、これを××サークルに届けるように。会場はここ、カタログはこれ。わからないことがあったら、柚梨に聞け」
「――って、黄尚書、これ、なんのおつかいなんですかーっ!?」(本当にな。笑)
「おや、秀君。こんなところでどうしたんだい?」
「あ、おじさん。実は、おつかいで……」
「それは大変だ。君のように何も知らない子を行かせるなんて、あいつもひどい奴だ」
「それは、今回が特殊なだけで…」
「安心しなさい。××サークルだね?私が連れて行ってあげよう」
「えっ!?おじさんが?」
「まかせなさい。私はくわしいからね」(何を?)

……本当に、何を書いているのだ、自分(苦笑)
黎深に連れられていく夏コミ。怖すぎ……。
小ネタ 秀麗の英才教育(考察と小ネタ)
H18年6月5日

今、私が気になっているのは、秀麗の母が死んだのは、秀麗が何歳の時だったか、ということ。
貴陽の荒廃時、秀麗は、わずか8歳。
この時、どうやらすでに母はいなかった模様。
仮に、7歳であったと仮定する。
7歳の子供が、茫然自失してる家族のために、家事をしようとしたり、
それまでに二胡や、行儀作法を完全にマスターしていたり。
…秀麗ちゃん、アナタ、タダ者ではないね(笑)
ん?胡蝶姐さんのとこに働きに出たのは何歳だろう?
また謎が増えた。
いくらなんでも、妓楼だって荒廃の最中、店どころじゃないだろうし。
復興にかかった月日はどれくらいなのか。


<閑話休題> 秀麗と母の秘密

「か…母さま…(ごほごほ)」
「よく聞くのじゃ、秀麗。そなたに、これから母の命を授けよう」
「そんなことしたら、母さまが…」
「なあに、心配はいらぬ。妾は、実は命をふたつ持っておるのじゃ。そのひとつをそなたに授けよう」
「それなら、母さまは死なずにすむの?」
「そこが難しいところでの。ほれ、人というのは、通常命はひとつしか持っておらぬものであるし」
「母さまは、人ではないの?」
「妾の故郷はの。遠い遠い星雲にあるのじゃ」
「せいうん?(お香?)」
「故に。これから妾は、死んだことになる。表向きはだがな」
「いつでも会えるんでしょう?」
「いや…命を分けてしまうと、この世に現れていいのは一度に3分だけなのじゃ」
「たったそれだけなんて…っ!」
「そこでじゃ。これから、その3分間を利用して、度々そなたに睡眠学習に参るゆえ、目が覚めたら、きちんと復習するのじゃぞ?学習内容は圧縮しておくが、解凍せねば使えぬからな。 もっとも、以前習ったこととしか思えないよう暗示はかけておくがのう」
「どうしてそんなことを?」
「妾に頼らずとも、そなたが生きていけるようにじゃ。さあ、目が覚めたら、今妾が言ったことも、そなたは忘れる。いとしい子。夢でまた会おうぞ」
「母…さま…」
――こうして、秀麗の母はこの世を去った。しかし、秀麗の中には、母からの命と、夜毎蓄積されていくものがあったという――。


これなら、納得できるか?
しかし、元ネタわかる人はいるだろうか…(苦笑)
小ネタ 春本ネタ
H18年12月14日


<葛篭の底>
(注:『緑風』春本ネタ。なぜか影香たちが秀麗・静蘭の前にいるけど気にしない♪)

「でね。『男なら皆、寝台裏とか葛篭の底に春本隠し持ってる』って、言われちゃったのよ。
 それから、いろんな人に聞いてみたんだけど、皆言葉濁すし。やっぱり持ってる人多いみたいなの」
「男の方って、そういうもの、らしいですわね……」
「まさか、影月君も……?」
「それはございませんわっ!わたくしお掃除していて見つけたことございませんから!」
「あー、よかったー。影月君くらいよね、安心できるのって」
「そうですわねー」


「影月君。……実のところはどうなんですか?」
「……贈り物でいただいたのが州城に……」
「わかりました。今度燕青を締め上げておきます」
「静蘭さん、お手柔らかに……」
「持ち帰るのはやめておいた方が無難ですね」
「……そうします」
彩雲国でクトゥルー神話
H19年1月29日

彩雲国inクトゥルー
…旧支配者復活の兆しに、今、伝説の彩八仙が、その後継者が立ち上がる!
 霄太師「今こそそなたの力が必要なのじゃ、秀麗殿!貴陽の、彩雲国の民が、
       ヒラメ顔になっていくのをそなたなら見過ごせまいっ!」
 秀麗 「……今日のお夕飯は魚菜でいいわね。素揚げにしようかしら」
 劉輝 「魚の骨は取って欲しいのだ」
 龍蓮 「ふっ……ヒラメ顔とはなんとも悪趣味。魚は尾頭付きを所望する」
 秀麗 「はいはい、メザシ、メザシ」
 霄太師「主上、秀麗殿とてヒラメ顔になるやもしれん危機なのですぞっ!」
 劉輝 「秀麗がヒラメ顔……余の愛情は試されておるのか?」
 秀麗 「ちょっと!なんで私がヒラメ顔にならなくちゃいけないのよっ!」
 劉輝 「きっと、たぶん、それでも余は秀麗を愛せる……と思うのだ」
 龍蓮 「心の友は顔で決まるわけではない。安心するがよい」
……ああ、オチない(泣)
影月にふさわしい武器
H19年2月3日

(龍蓮の持つ龍笛と同じものと思われる)「鉄笛」は暗器に属しています。
暗器っていうのは、こっそり気付かれないように使える武器のこと。
日常的アイテムだって、達人が使えば立派な武器です。
「鉄尺」(てっせき)というアイテムもありまして、
これ、鉄でできた定規なんですよ。
そりゃ、殴られれば痛いの間違いなし。

うーん、類似品で鉄のそろばんなんかもあるんじゃないかなあ?
護身用(?)とかで影月に持たせるならこういうアイテムかとも思います。
にこやかに笑いながら高速で弾くそろばんが鉄。
防御にも攻撃にも使えるし。
そしていずれ鉄そろばんをメイン武器にした格闘技の流派ができたりして?
……どんな流派だよ(苦笑)

H19年2月4日

うちのヒーローが影月である限り。
やっぱり、鉄そろばんでいいや。筋力も付くし、一石二鳥だよ、きっと。
……本当に持たせてみようかなあ。

 刺客 「杜影月殿。お命頂戴つかまつるっ」
 影月 「えっ!?えーとっ、ご破算に願いましてはーっ!」

……なんか、違うかもしれない。

H19年2月6日

「燕青さん!僕に体術を教えてくださいっ!」
「はあ?必要ないだろ?」
「その……香鈴さんに何かあった時とか……」
「ああ、虫退治か」
「えっ!?いえあの、そこまでは……言いませんけど……」
「しかし、おまえ、人とか殴れねーだろ?」
「それは、あんまり気が進まないですけどー」
「ちょっと考えてやるから待ってろ」
(数日後)
「今日からおまえは毎日これをつけろ」
「これって……鉄下駄……」
「慣れたら翔林たちのように逃げ足が早くなる。腕には鉄板をくくりつけとけ。
そうすりゃ嬢ちゃんかかえて逃げられるようになるだろ?あ、支払いは柴彰まで頼むな」
――翌日から鉄下駄と鉄板を身に着けてよろよろ登城する影月の姿があったという……


やっぱり影月に普通に武術体術は似合わない気がして。
大○ーグ養成ギプスでもいいですかね?
とりあえず、夕日に向かってうさぎ跳びしてもらいましょうか。
香鈴には物陰から見守ってもらおう、うん。
燕青とか黒白将軍なら鉄下駄履いてもうさぎ跳びできそうですねえ。

お風呂でドッキリ!?
H19年2月18日

影香って、うちの設定じゃあ「ひとつ屋根の下」なんだよね。
(まあ、原作でも二州牧時代はそうとも言える)
となると。
ありがちパターン、黄金ベタというと、
「お風呂でドッキリ!?」

……自分大丈夫か〜?
とか思いつつ妄想は続く。

最初はやはり『勘違いシリーズ』で。

「すすめられて入りに来たけど、誰かもう入ってるよ……!って、もしや……っ!?」

1.同性パターン。
  思わず期待してしまったのに、入っていたのは同性の同居人。
  (お好きなメンバーでご想像ください)
  ただの風呂屋状態に突入。
  ついでにコンプレックスを刺激されたりもして、ちと悲しい。

2.異性パターン。
  しかし相手がおばちゃんたちであったなら、まったく気にされない。
 「背中流しましょうか?」
  などと言われて逃げ出すはめに。

(今、ふと思ったけれど。
入っていたのが秀麗で。そこに影月が入ってきたとしても。
普通に扱われるような気が……。
なんか秀麗って影月を異性として見てない気がするのよね。
それはそれでダメージくらいそう)

『それがもし本命だった場合』

わりとパターンがいくつも浮かびますが、
この場合、風呂の広さとか形状とか、湯気の量とか、
そういうものにも左右されますね。

おや?
どうやら私の頭の中では温泉岩風呂展開のようです。
……どんだけ広いんだよ、州牧邸の風呂!(苦笑)
邵可邸お花見噺1
H19年4月4日

そんなわけで唐突に春で彩雲国な小咄でもひとつでっちあげましょうか。
例によって一行先がどうなるかは判りません。
ああ、スリリング……?


静蘭 「お嬢様、タケノコはアク抜きして茹でておきましたから」
秀麗 「助かるわ静蘭。でも朝掘りのタケノコなんてそもそもどこから手に入れてきたの?」
静蘭 「それはもう、藍将軍のお志ですよ」
秀麗 「……藍将軍、いつもいつもすみません」
楸瑛 「いや、秀麗殿が気にすることはないんだよ。こうしてご相伴に預かれるんだから」
劉輝 「秀麗、卵焼きは甘くして欲しいのだ」
秀麗 「はいはい」
絳攸 「こら、そこの馬鹿。卵焼きが甘いなんてのは外道だっ!」
劉輝 「しかし余は甘いのが好きなのだ!」
絳攸 「卵焼きは塩味に決まってる!」
楸瑛 「卵焼きくらいで子供みたいに意地を張ることはないんじゃないか?」
絳攸 「いいやっ!俺は甘い卵焼きは認めん!」
秀麗 「卵は絳攸様がたくさん持ってきてくださったから、両方作りますから」
静蘭 「お嬢様、ふきのとうは天ぷらにしてみましょうか」
秀麗 「そうねえ。ほろ苦くて美味しいでしょうね。あとは菜の花と……。あらっ!?」
劉輝 「どうしたのだ秀麗?」
秀麗 「さっき作っておいたおにぎりがないのよ!」
劉輝 「余、余ではないぞっ!」
秀麗 「一番怪しい気がするけど」
劉輝 「いや!余は秀麗がお重に詰めてくれる方が嬉しいから我慢して待っているのだ」
秀麗 「となると、次に怪しいのは……?」


邵可邸緊急お花見噺、明日に続く。
(いや、際限なく登場人物増えそうなのでちょっと頭切り替えます)
ちなみに私は卵焼きは塩味派です。
邵可邸お花見噺2
H19年4月5日

邵可邸お花見噺その2

静蘭 「結局、なくなったおにぎりは何個ですか?」
秀麗 「四つよ。いやだわ、また作り直さなきゃ」
静蘭 「おにぎりくらいでしたら、こちらの皆様が握りたいとおっしゃってましたからお任せしてしまいましょう」
秀麗 「あら、本当ですか?」
楸瑛 「そ、そうだね……」
絳攸 「味と形は保障できんぞ」
劉輝 「余はがんばるのだ!」
秀麗 「じゃあ、おひつはそこですからお願いしますね」

楸瑛 「ところで静蘭。私はおにぎりなど作ったことがないんだよ」
絳攸 「俺もだ」
静蘭 「簡単ですから私がお教えいたします。それくらいなさってもよろしいでしょう皆様」
劉輝 「余が握ったら秀麗とあにう……静蘭も食べてくれるか?」
静蘭 「喜んでいただきますよ」
劉輝 「がんばるのだ!さあ、二人も一緒にやろう!」
楸瑛 「まあ、やってみてもいいですけれど。でもただ作っても面白くないですねえ?」
絳攸 「お前、何言い出すつもりだ」
楸瑛 「せっかくですから、どれが誰の作ったものだか秀麗殿に当ててもらうというのはいかがでしょう?」

唐突に続く。
邵可邸お花見噺3
H19年4月6日

邵可邸お花見噺その3

秀麗 「さあ、こっちは準備ができたわよ」
静蘭 「では順次運んでいきましょう」
秀麗 「父様は?」
静蘭 「もう桜の下でお待ちですよ。王さんのところからお酒も届いてますよ」
秀麗 「あら、それなら三太も呼んだ方が良かったかしら?」
静蘭 「その必要はありません。今でさえ大人数なんですから。それにこの面々の前だと彼も居心地悪いでしょうし」
秀麗 「そうねえ。そうかも。ま、三太にはまた機会があるわね。ん?何か庭院が騒がしいわねえ」

珀明 「馬鹿かお前は!やめろ!即刻やめろ!」
影月 「龍蓮さん、いくらなんでもそれはやめたほうがいいと思います!」
龍蓮 「なんの。これぞ春の風流」
秀麗 「一体何を騒いで……って、龍蓮っ!あんた何やってんのよっ!」
龍蓮 「春の集い、心の友の再会を祝ってだ」
秀麗 「やめてーっ!それ、行方不明になったおにぎりじゃないの!串に刺して頭に飾るなんて何考えてるのよっ!」
龍蓮 「四つのおにぎりが私と三人の心の友を表しているのだ」
秀麗 「食べ物をおもちゃにすんんじゃないわよこの孔雀男っ!!!」
龍蓮 「ああっ!心の友が奪われていく!」
秀麗 「もうっ!これは責任とってあんたが食べるのよ!いいわね!?」
龍蓮 「心の友を食すだなどと私にはできないっ!」
秀麗 「ふざけたこと言ってんじゃないわよ!」

楸瑛 「龍蓮……」

そしてまた続く。
珀明と影月は龍蓮を抑えるために外にいたのです。
ところでこれ、花が散る前に終わればいいなあ……。
この先どうなるんだろうなあ……。
邵可邸お花見噺4
H19年4月7日

邵可邸お花見噺その4

邵可 「やれやれ。一体何をそんなに騒いでいるんだい?」
秀麗 「食べ物で遊ぶ馬鹿がいたもんだから……」
邵可 「それはいけないねえ。ところで秀麗、まだはじまらないのかな?」
秀麗 「ごめんなさい父様。用意はできたからさっそく始めるわね」

影月 「竹の子ご飯、美味しいですー」
珀明 「ワカメと竹の子の相性はやはり最高だな」
邵可 「君たち、意外に渋い趣味だね」

絳攸 「げっ!間違えた!この卵焼き、甘い!」
楸瑛 「だからって、私の皿に食べかけを投げないでくれよ」
劉輝 「余の卵焼きは辛かったのだ。絳攸、交換しよう」
絳攸 「阿呆!食べかけを交換できるか!」
楸瑛 「だからって、人の皿の上に捨てるなと……」

秀麗 「皆、食べ物を無駄にしないのっ!」
劉輝 「秀麗は皆のお母さんのようなのだ」
秀麗 「……何で私がお母さんにならないといけないのよっ!影月君以外年上じゃないの!」
静蘭 「まあまあお嬢様。ところで、おにぎり召し上がりませんか?」
秀麗 「なんで唐突におにぎりなの?」
静蘭 「さきほど作ってくださった分があるんですけど」
秀麗 「ああ、龍蓮が持っていった分の作り直しをお願いしてたわね。おにぎりとは言え、人が作ってくれたものを食べられるのって嬉しいわ」
劉輝 「さあ、秀麗!どれが余の作ったものだか当てるのだ!」
秀麗 「当てたら何かいいことでもあるの?」
劉輝 「うっ……今から相談して決めてくる……」

龍蓮 「食べられない。心の友は食べられない……」
珀明 「この孔雀、おにぎりに海苔で顔なんか描くからだ!」


そしてまた続く。
やっぱりおなかすいたよ……。
邵可邸お花見噺5(完結)

H19年4月8日

邵可邸お花見噺その5

劉輝 「秀麗、決まったのだ!当てられた者は今日の片付けをするのだ!」
秀麗 「それは助かるけれど。じゃあ、がんばって当ててみようかしら」
静蘭 「ではお嬢様、こちらがそのおにぎりです」
秀麗 「外見だけで答えるの?食べてもいいの?」
劉輝 「もちろん食べてもらってかまわないのだ」
秀麗 「じゃあ、失礼して……」

楸瑛 「さて、秀麗殿の答えはどうかな。後片付けは誰がすることになるのかな」
絳攸 「こら常春!俺の方を見て言うな!」
楸瑛 「絳攸、君、もしかしてこの銚子の酒、呑んだりしたかい?」
絳攸 「呑んだぞ?」
楸瑛 「やれやれ。君が当てられてしまっては後片付けができないかもしれないよ?」
絳攸 「どういう意味だっ!」
楸瑛 「じゃあ、試しに立ってみてくれるかい?」
絳攸 「立つくらいなら……おわっ!?」
楸瑛 「やっぱり。この酒は呑み安いんだけど度数が高くて足にきやすいんだ。まあ、しばらく水飲んでおとなしくしてるといい」

秀麗 「うん、決めた!右から、劉輝、藍将軍、絳攸様よ!」
静蘭 「理由をうかがってもよろしいですか?」
秀麗 「右のはね、すっごく力入れて握られてるの。硬くてお餅みたいなんだもの。劉輝って、妙に力加減下手そうだから」
劉輝 「……秀麗(泣)」
秀麗 「で、真ん中のはね、形もきれいだし。わりと何でも器用な藍将軍かなあって。あと、お塩の使い方がね、うまいのよ。薄味っぽいけど適量って感じで。藍州はお塩がいいからそうかなあって」
楸瑛 「ふむ。そちらから来たとは」
秀麗 「それで、残るのは絳攸様の……と思ったんだけど……」
静蘭 「お嬢様、遠慮なさらず申されてかまいませんとも。形がいびつであるとか」
秀麗 「いびつ……なのはまあ、食べられるから問題ないけど、ぼろぼろに崩れるのはちょっと……」
絳攸 「……」

秀麗 「それで、合ってるの?違うの?」
静蘭 「本日の片付け係は、お三方にしていただけることになりました」
秀麗 「え、全部当たり?」
静蘭 「さすがお嬢様です。今日は後のことは考えずにお楽しみいただけますよ」
秀麗 「嬉しいけど、いいんですか?」
劉輝 「余は秀麗におにぎりを食べてもらえて幸せだからなんでもするのだ」
楸瑛 「もちろん、女性との約束を破ったりはしませんよ」
絳攸 「酔いがさめたらやる……」
秀麗 「それじゃあ、申し訳ありませんけどお願いします。……ちょっと龍蓮!あんたまだそのおにぎり食べてないのっ!?食べないんなら持って帰ってでもきっちり食べなさいよ!」

劉輝 「さすが秀麗なのだ!」
楸瑛 「そうですねえ。せっかく覚えましたし、そのうち夜食に試してみましょうか」
絳攸 「俺が不器用だということは、つまり……」
楸瑛 「まあ、君が厨房関係に不慣れなことは秀麗殿だってご承知だよ」
絳攸 「お前らだって始めてのはずだろうが!」
静蘭 「器用だろうが不器用だろうが、後片付けはきっちりお願いします。念のため、私が監督いたしますから」
劉輝 「余はがんばるから見てて欲しいのだ!」
静蘭 「はい。期待しております」
楸瑛 「まあ、いつも秀麗殿にはお世話になってるし……」
絳攸 「……そうだな」
静蘭 「ああ、お嬢様があんなに楽しそうに」

秀麗 「龍蓮!いい加減うっとおしいわ!おかずはいらないのね!?」
珀明 「こいつ、さっきから僕と影月の皿からばかり取っていってるんだ」
秀麗 「龍蓮ーーーーーっ!」
龍蓮 「心の友とおかずも分かち合いたいのだ!」
秀麗 「自分で取りなさいっ!」

邵可 「平和だねえ。でも、今日はお花見なんだけど誰も桜を見てないんだよねえ」

上治三年春。ささやかな花を肴に、花見は賑やかに続いたという……。

貴陽観光本舗

H19年6月5日

さて、なんとなく思いついたものを書いてみましょう。



ああ!お客様、お客様ですよ!ようこそ、お待ちしておりました!
この度は全商連認可旅行組合加盟の当『貴陽観光本舗』をご利用いただき、
まことにありがとうございます。
わたくし、本日お客様をご案内させていただきます担当の○○と申します。
どうぞなんなりとお申し付けください。

で、お客様はどちらからお越しで?
は?東方諸島から?それはそれは遠いところを!ようこそ!

では、貴陽一日観光に出発いたしますので、どうぞこちらの軒に。
は?派手で恥ずかしい?
何をおっしゃいます。旅の恥はかき捨て、あ、いや。
これくらいでないと、一旦下車されますとどの軒に乗っていいか判らなくなるんでございますよ。
何せ、貴陽の軒総数は増加の一途を辿っておりまして。
まあまあどうぞ。
座席はふかふか!窓はぴかぴか!
軒に乗って悠々自適に観光していただけます。
もちろん、お土産やお食事は当『貴陽観光本舗』が厳選いたしました信用できるお店にお連れいたします。

さて、貴陽と申しますと。彩雲国の要、首都でございます。
この街の名物と申しますと、やはり王城を置いて他にはございません。
ではこのままずずいと王城に向かいます。

ご覧いただけますか?あのどこまでもどこまでも続いているかのような塀の中。
あれが王のおわす王城でございます。
彩雲国の政治中枢もあの中でございますし、
男なら誰もが夢見る後宮もまたあの中でございます。
蒼玄王の御世より連綿と続く荘厳な宮が立ち並び、秘蔵の宝物が眠っているそうでございます。
玉座におわす王は当年とって二十一歳!いや、若い若い。
けれど、王の治世は始まったばかりでございますし、
なかなかこれから期待できるかと。
噂によると文武に優れた見目麗しい方だそうでございます。

は?見学ですか?
あいにく、その素晴らしさは洩れ伝えられておりますが、一般には開放していないのです。
できますならば、観光用に一部なりと公開されていれば……と思わないでもございませんが。
ああ!そうがっかりなさらないでください!
その代わりと申しまして、彩雲国を代表する名家、彩七家の貴陽本宅をご案内いたしますので。
はい、彩七家はただの貴族ではございません。貴族の中の貴族!大大お貴族様にございます。
下手すりゃ王様だって敵わないくらい力も財力も……。えー、ごほん。

本日これからご案内いたしますのは、貴陽茶区にございます、茶家の貴陽本邸にございます。
この茶家本邸におきましては、希望者に内部を一部公開しておりまして。
まあ彩七家とはいえ末端、前ご当主の趣味によりいささか質素とも申しますが、そこはそれ、腐っても彩七家。決してお客様の期待を裏切らない豪華さにございます。
他家ではこのような公開は一切行われておりませんで、金策の一環という声もございますが、それでも見所はたくさんございます。
近頃では貴陽観光の目玉と申しまして間違いございません。

さて、茶家の前ご当主はお名前を茶鴛洵様と申されまして。前王に近く仕えられ、その高潔さを称えられた立派な方でございました。
ここでは、その鴛洵様が生前使用されておりました私室、執務室などをご覧いただけます。
現在の茶家ご当主が貴陽にお越しの際には、もちろんこの本邸をご利用ですが、前当主に敬意を表されまして、ご自身はもっと質素な室に滞在されるそうです。
いや、なかなか立派な心がけと申しましょうか。現ご当主は王様よりさらにお若い十九歳でいらっしゃるそうですが、こちらもなかなか期待の人物でございますな。

おお、堪能いただけましたか?それはよろしゅうございました。
こちらで茶州名産の甘露茶、そして紫州団子にてご休憩くださいますよう。

さて、本日のこれからの予定でございますが、まず、松濤河の放水でございますね。西施橋の辺りにて、水門の開閉による力強く躍動的な様子をご覧いただきます。
その後、軒内見学による貴陽名所巡りをいたしまして、全商連お墨付きの商家にてお土産をじっくり選んでいただきます。
夜は花街の中でも選りすぐりの店にて美女の歌と踊りをご覧いただきながらご夕食となります。
お宿は夕食の店よりほど近い、ですが内部は大変静かな落ち着いた宿をご用意しております。
そのまま休まれるもよし、花街の夜を堪能されるのもよし。
また、花街での各種ご遊技はご希望がございましたら熟練のその道の玄人が別料金にてご案内させていただきます。

さあ、貴陽にお越しいただいたこと、この『貴陽観光本舗』、お客様に後悔だけは決して味わうことなしと保障させていただきます。
なお、今後、ご家族様、お知り合いにご紹介いただきますと、特典といたしまして次回のご案内を特価三割引にて受付させていただきます。
どうぞ今後とも、我が『貴陽観光本舗』をご贔屓賜りますように!



……正直、自分でも何書いてんだろうと思います。
これも彩雲国リハビリと言えるのだろうか(遠い目)
ちなみに、茶家本邸公開は有料でございます(笑)
「ほ〜ら、つかまえてごらん♪」影香バージョン

H19年8月22日

<正しい影香版>

「なんですの、影月様!早くいらしてくださらないと、わたくし先に行ってしまいますわよ!」
「えっ、待ってください、香鈴さんー」
「存じません!追いかけてなんか来られなくてよろしいんですのよっ!」
「そ、そういうわけには……」
「もうっ!ついて来ないでください!」
「それは嫌です」
「お、お好きになさるとよろしいんですわ!」
「じゃあ遠慮なく。つかまえましたよ?」
「鬼ごっこではないんですのよ!」
「今度は香鈴さんが鬼になりますか?
 あ、でも。香鈴さんの鬼になら、わざとつかまりたくなっちゃいますよねー」
「…………」


ちょっと違う?
でも香鈴ちゃんツンデレだから。
もちろん、「追いかけるな」と言われたら「追いかけられたいから追って来い」という意味ですが。
しかし、「あはは」「うふふ」ってな感じにはならんのか。そうか。
まあ、十分じゃれているから良しとしよう。
たまにはポエム(秀麗→劉輝)

H19年8月28日

皆既月食によせて。
<秀麗→劉輝>

――月が、喰われてしまう。
古風な老人たちは王の治世が定まらぬせいだとか口々に勝手なことを言う。
ただ利害を計って、孤独に押しつぶされた王を顧みもせずに。

そばに駆け寄って手を引いて。
凶兆なんかじゃないと言ってあげたい。
夜を支配する月さえ飲み込む、昼の太陽の力が増したこそだと。

それは気休めにすぎないけれど。
驚いたように顔を上げて、
あの人はきっと微笑んでくれるわ。

けれど、傍にいるわけでもない私が、どうしてそれを告げられよう?
女として傍で支えることよりも、
官吏として支えることを選んだのは私。

だからせめて。
この窓辺で奏でる二胡の音色があの人に届けばいい。
あの人が安らかに眠ってくれればいい。


H19年9月21日

童話パロ的妄想爆走記録。

ふと。何の脈絡もなく。
「香鈴で赤頭巾、可愛いだろうなー」と思いまして。
香鈴、赤似合うし。シャーリーテンプル系のワンピ(甘ロリ可)とか着せても可愛いなあ、
とかニマニマしてました。
で、「そんな可愛い香鈴に、影月がにこにこ、尻尾振ってじゃれつくんだ。
でも狼だから、じゃれてる間に美味しくいただかれるんだなー」
腐ってるのは承知。
そこに、「ジャキーン!」という効果音と共にライフルが。
構えるのは狩人な鴛洵様(もちろん、爺バージョン)。
この鴛洵様が非常にツボに入って、しばらく悶えることとなりました。
素敵。鴛洵様。

ここで意識切り替え。
「『メルヘン・フェスト』で影香じゃなかったのを影香で妄想してみよう!」
となると、やはりここはシンデレラなどが王道かと存じます。
「香鈴シンデレラ〜。かわええ♪でも案外、某米国アニメなシンデレラ並みに意外にしぶとい
(これ本当。あのシンデレラはイイ性格すぎて怖くて可愛くない)シンデレラになったりして?」

継母に英姫様。はまる……。
姉に春姫……はちょっと無理か。
ではここで、草洵と朔洵を配置。
……だめだ。このふたりが姉(兄?)だと、香鈴の命が本気で危ない。
このふたりを持ってくるんなら、いっそもうシンデレラは克洵でいいや。継母(?)は仲障。
魔法使いに英姫。
「阿呆!他人に頼らず己で道を切り開かんか!」とか叱られちゃったり。
で、白馬に乗った春姫王子に見初められるんだな。
……いいかも。
いや、影香じゃないし、残念ながら。

香鈴シンデレラに戻る。
「えー、継母と姉は置いておいて。魔法使いは鴛洵様かなあ」
さてここで私は最大の難点にぶつかったのでございます。
「影月、王子似合わない……」
悲しいまでに似合わないぞ、おい!
正直者の役どころなら完璧に似合うのに。
「あんまりだわ!龍蓮なんて、白馬に乗ったいかれた(ある意味褒め言葉)王子役が最高に似合うのに!」
自分、なんで『メルヘン・フェスト』書いた時に龍蓮を王子にしなかったのだろう(反省)。
龍蓮だと恋愛はあんまり考えられないからなんだけど。
しかし私は影香至上主義なわけです。
仮に王子に龍蓮を配したとしても。
「素敵な方……」と香鈴がポッとなるのは王様の鴛洵様だったりして(この場合、魔法使いは英姫様で)。
となると魔法使いが黙っていない。
「小娘、人の恩も忘れてわらわの鴛洵に色目を使うでないわ!」
「わ、わたくしには若さがございますわ!」
……怖い。このパターンは無し。

いやだからどうしたら影香になるんだ。いやもう、これしかないか。
「いままでずっと見守っていましたが、あなたは僕が幸せにします!」
と、魔法使い影月と手に手を取って愛の逃避行。
うん、これでめでたし、めでたし。
あれ?王子はどうなった?
やっぱり影月に王子は無理がありすぎるんだ……。
H19年9月21日

(タンタンと影香が出会えるんじゃないかという拍手メッセージにお返事しつつ)

確かにタンタンと影香の邂逅は可能になったわけで。
ずっと貴陽組だと思ってたから書く機会ないと思ってましたが、
そうか!タンタンが書けるのか!(そんなに実は書きたかったのか自分?)

秀麗からの手紙でタンタンのことを知らされていた影月は言います。
「ああ!秀麗さんが言ってたタンタンさんって、あなたのことなんですね!」
で、それに素直に反応する香鈴。
「まあ、タンタン様とおっしゃいますのね。変わったお名前でいらっしゃいますわね」
でもって、櫂瑜様までが。
「そうですか。どうぞゆっくりなさってください、タンタン殿」
(いや、だから俺の名前はタンタンじゃなくて……。まあ、もういいか。訂正すんのも面倒だし)
と、こんな調子で頭の中で勝手に会話が続いていくんですけど!
で。いつか書いてもいいですか?







H19年10月4日

『メルヒェン・フェスト』では西洋の童話ばかりを取り扱ったわけですが、
日本の昔話でどうよ?と。

で、真っ先に出てきたのが浦島太郎。
♪むかしむかし影月は 助けたカメに連れられて♪
……似合うじゃありませんか。
ツンデレ香鈴ちゃんの乙姫。
これも似合います。
えーと、普通ですね。カメ助けたくらいであそこまで長期接待するかなあ、とか思うんですよね。
ここはもう、浦島太郎と乙姫はイイ仲になってたとみる方が自然じゃありません?
……そうですか。私が腐ってるだけですか。
いやしかし、他人の解釈などこの際無視。これは「影香浦島太郎」なんだから。

浦島影月太郎は香鈴乙姫の美しさにぽーっとなってですね。
で、香鈴乙姫も憎からず思うようになってですね。
鯛やヒラメの舞い踊る祝宴で華燭の典を。
しかし、里心のついた浦島影月太郎は一度故郷に帰りたいと言う。

つづき。
1.「何ですの!お好きになさればよろしいんですわ!」
涙目の香鈴乙姫にほだされて帰りそびれる浦島影月太郎エンド。

2.「おひとりで帰るなどとおっしゃいませんわよね!?わたくしもお連れくださいませ!いいえ、勝手にでもついてまいりますから!」
香鈴乙姫を連れて地上に戻る浦島影月太郎。
しかし、そこで竜宮城と地上での時間の流れが違うことに気がつく。

えー、この「2」のバージョンのその後を数パターン考えて。
でも結局最後にはふたりしてまた竜宮城に戻るというのでエンド。
影香でアンハッピーエンドは私、許しませんから(笑)
玉手箱の出る展開にはならんな。
しかし、なんだって乙姫はあんな玉手箱をわざわざ渡したりしたのか。
それは自分を置き去りにした浦島太郎への乙姫の復讐(?)であったのだ!
とかいう解釈はないですかね?

で、その後、「一寸影月法師」もなかなか良いのではないかとか、
無駄に妄想は飛躍するのでした。
ちいさいちいさいちいさい影月。
……いい。とても、いい……。
でまた無駄に妄想を繰り広げてしまったわけですが。
ええと、いつか「日本昔話」パロもやってしまうかもしれません。
H19年12月5日

「彩雲国のキャラで風呂敷背負うのが似合うのはなんと言ってもタンタンだよなあ」
とかしみじみ思ってしまいました。
いえ、影月も似合うと思います。
似合っても嬉しくないような、そこはかとなく悲しいような気もします。
それなりに克洵も似合いそうです。
茶家当主なのに。
美形の兄さん連中はきっと正しく似合わないでしょう。
いや、でもきっと静蘭なら堂々と背負ってくれるから
似合わないというのともまた別の次元の話になりそうですが。


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